6歳の娘がひとりで飛行機に乗って日本に行った話(中)

さて、今回も前回(6歳の娘がひとりで飛行機に乗って日本に行った話(上))に引き続き、この冬休みの娘の大冒険について書こうと思います。

20160110_152811166_iOS

この冬、娘(6歳2ヶ月)は一人で飛行機にのり、香港から日本の祖父母の家に行き、再び一人で飛行機に乗り、日本から香港に帰ってきました。全部で14日間に及ぶ大冒険。しかも、クリスマス、年末年始、という一年でもっとも大事な時期をあえて、親元から離して過ごさせました。

共働きでも夏休みを有意義に過ごさせたい、と考えるときに、子供がひとりで飛行機に乗って移動できれば、こどものアクティビティの幅が一気に広がります。海外暮らしのおうちだけではなく、日本に住む共働きのご家庭にも参考になればと思い、なぜたった6歳の女の子を一人で送り出しのか、やってみてどうだったか、等について3回シリーズで書いていきたいと思います。前回は、「なぜ送り出したのか?」。今回は、「なぜ送り出せたのか?」

なぜ送り出せたのか?

送り出せた理由その① 同じ年頃の従姉弟の存在&祖父母/叔父叔母の完全バックアップ

これは、もうなんといっても、親族の多大なるサポートがあったからこそです。娘は、東京近郊と関西に同じ年頃の従兄姉がいます。従兄姉は、それぞれ、我々の両親(娘の祖父母)の近くに住んでおり、祖父母の家に滞在させてもらえば、従兄姉たちとも遊べることに。

こども一人でいるよりも、従兄姉と一緒に遊べることができるということで、娘も寂しさがまぎれるだろうと思ったというのがあります。そして、それらのサポートを引き受けることを快諾してくださった祖父母&叔父叔母(義両親&義妹ご夫妻)の存在なくしては、今回の冒険は実現しませんでした。

送り出せた理由その② 航空会社のサービス

20160102_094336089_iOS[1]

もうひとつ不可欠だったのが、航空会社のサービス

多くの航空会社では、こどもの一人旅をサポートするサービスを提供しています。出発ロビーから搭乗口まで係員が同行し、機内でもCAに適宜注意を払ってもらい、到着後、到着ロビーで送迎者に引き渡すまで再び係員が同行するというサービスです。

日本を代表する日本航空(JAL)も全日本航空(ANA)も同様のサービスを国内線&国際線両方で提供しています。今回は、サービスを提供している会社間でたまたま一番値段が安いということで、全日空(ANA)のキッズらくのりサービスを利用しました。

どんな流れだったかさらっとご紹介します。ちなみに、調べた限りでは、同様のサービスを提供している航空会社でも、流れは同じようなもののようです。ANAのサービスについての詳細はWebsiteをご参照ください→全日空(ANA)のキッズらくのりサービス

(1)予約&チケット購入:

予約は電話でのみ受け付けています。予約の電話のついでに色々疑問点を聞くと丁寧に対応してくださいます。ちなみに、チケット代は、大人料金(多くの航空会社も同様)。。。これを知った時、ちょっとお財布と胸が締め付けられました。

(2)出発空港にて:

  1. いつもよりちょっと早めに空港に到着し、発券カウンターへ。そこでキッズらくのりサービス利用に関する申込書と同意書を提出
  2. 「□時□分(出発時刻の大体45分前)までに、もう一度同カウンターへ戻ってきてください」と言われる。
  3. 家族全員緊張で、昼ごはんを食べていなかったので、ちょっとリッチに空港内のレストランでがっつり腹ごしらえ。娘は普通のようにふるまっているものの、表情はかなり緊張でこわばっていました。
  4. 発券カウンターへ戻る。そこに係員さんが迎えにくる。いよいよだ。。。どきどき。
    20151220_064110936_iOS20151220_064144894_iOS
  5. 荷物検査場の前で、ANAの係員より、ここで送迎者とはさよならです、と言われる。搭乗口まで一緒に行けると思っていた娘と私は若干パニック。予想外の早い別れに、娘はすこしだけ涙。決して声を上げることなく、必死に涙をこらえようとしている娘をみて、笑顔で送り出そうと思っていた私も、耐えられず涙。。。

    それでも、力強くセキュリティを通っていった娘。

    Kindergartenで使っていたリュックをしょっていたのですが、2年前は、後ろから見ると、リュックが歩いているのではないかと見紛うくらい小さかった娘が、一杯につめられたリュックを背負って、後ろを振り向くことなくしっかりとした足取りで進んでいく姿に、改めて成長を感じ、のどの奥がずんっと響き、はたまた涙がぽろぽろ流れました。軟弱母ちゃんです。

  6. 飛行機出発するまで、何かあったときのために、空港にいてあげようということで、両親⁺新生児は、そわそわしながら空港で待機。出発したという表示を見て少し安堵して空港を後にしました。

(3)機内にて:

これは、娘からの伝聞ですが、寝とけばつくよ!と豪語していた娘も、やはり実際は、機内では緊張して眠ることはできなかったよう。しかも行きの飛行機では、少しだけ泣いてしまったとか。それでも、手をあげて、CAさんを呼び、ハグをしてもらったら落ち着いた、とのこと。

さらに、隣の香港人のお姉さんが、テレビをセットしてくれて、ディズニーチャンネルを沢山みることができたよ、と報告してくれました。

助けてくださった周囲の方に感謝すると同時に、泣きそうになって、「ピンチ!」と思ったときに、手を挙げてCAさんを呼ぶという解決策を自分で導いた娘にまた感心(親ばかですが)。

ちなみに、子供向けのお菓子や、おもちゃも用意されていて、少し泣いてしまったこと以外は、それなりにフライトを楽しめたようです。

(4)到着空港にて:

到着空港では、到着口→入国審査→荷物受け取り→税関審査をすべて係員に同行していただき、最後、到着ロビーまでこどもを連れてきていただけます。到着ロビーでは、送迎者のIDチェックをし、事前に登録していた人と同一人物か確認してから引き渡しを行ってくださいました。

お迎えにきていた祖母をみて、娘は、「おばあちゃん!」と言っていたものの、それでも、係員の方はきちんとIDチェックを行ってくださったようで安心安心。香港に戻ってきたときも、明らかにそっくりな親子ですが、送迎者である夫のIDを係員の方はチェックしていました。

ちなみに、そろそろ関西国際空港に娘の乗っている飛行機がつくであろうというとき、夫は、何度も何度も、娘に持たせたiPhoneの位置情報をFind my iPhone機能を使ってチェック。

「まだつかない」「まだ、携帯スイッチいれてないけど、大丈夫かな、、、」「まだついてないよ」「あ、今、携帯ONにした!」「お、ちゃんと関空にいるよ!」。。。

こんな会話(というか夫の独り言)が30分くらい続いていました。平然としているように見えて、一番不安で仕方なかったのは、実は、愛娘を送り出したパパさんだったのかもな、とこのときに思いました。意外とわたしは飛行機に乗った後はなるようにしかならない、と腹をくくっていてあまり動揺しなくなっていました。

◎ご参考◎私が調べたエアラインの同様サービスのリンクを以下のとおり列挙します。

送り出せた理由その③ 自己コントロール力

最後に送り出せると判断するのに必要だったのが、娘の「自己コントロール力」

ここで私が言っている自己コントロール力とは、、、

  • 相手の話を聞いて理解し、それに合わせた行動をとることができること。
  • 何かあったときに、ある程度自力で解決策を見出すことができること。そして、、、
  • 自分の身を自分で守れること。

これらの力がある程度備わったと判断したことも送り出せた大きな要因です。

「相手の話を聞いて理解し、それに合わせた行動をとること」については、「自由」の国アメリカの学校文化にどっぷり染まった娘でしたが、大量のルールを敷くことで良い成績を叩き出そうとする学校にいたこともあり(過去記事「スパルタ教育が格差をなくす?(~経済格差×教育格差に直面したNYその2~)」ご参照)、できるようになっていました。

「何かあったときに、ある程度自力で解決策を見出すこと」についても、大丈夫かなと思えました。というのも、日本を離れてから2年半、「主張」しなければ存在がないものとされる社会にいたせいか、何かあった時に「困った」「自分はこうしたい」といったことを主張できるようになっていたためです。例えば、親を見失って迷子になりかけたとき、半泣きになりながらも、近くにいた係員の人たちに自分の窮状を訴えていることができていたり。今回も、機内で泣きそうになった時に手を挙げてCAさんにハグをしてもらったというのも、その力をきちんと発揮できた一場面だったのではないかなと思っています。

そして、「いざというときに身を守れる」ということについては、まずは、危険を危険と認識できるようになってきたことが第一関門突破項目でした。

また、自分の体を良く知って対処できるようになってきた、というのもひとつの要素でした。ささいなことかもしれませんが、娘は、自分がエビに対してアレルギーがあるということを認識しており、アレルギーについて聞かれると、必ず自分はエビは食べてはいけない、と主張できるようになっていました。アトピー性皮膚炎があるのも認識しており、痒ければ薬を塗るというのもよくわかっていました。

また一番母親として心配だったのが、そして絶対に起こってほしくなかったのが、娘が、犯罪行為を巻き込まれてしまうこと。杞憂だといわれてしまえばその通りかもしれませんが、機内は暗くなることがあり、いくらCAの方々が注意を払ってくれているとしても、万が一ということはあり得ます。起こってからでは取り返しがつきません。

怖がるかもしれないということを承知の上で、飛行機に乗る前日に、隣に座った人や、近くにきた人が何か変なことをやってきたら、とにかく「NO!」って叫ぶか、走って逃げだしなさい、という説明をし、「NO!」と叫ぶ練習もしました。

それまで一人飛行機について「楽しみ」一色だった娘をあえて怖がらせることになってしまいましたが、それでも、楽しいだけではない、ということを認識させ、いざというときに自分の身を守るということを理解させるための大事なステップだったと今でも思っています(結果的には、周囲の人みなさんにやさしくしていただいて、単なる杞憂で終わってよかったです)。

まとめ

というわけで、6歳の娘を一人旅に送り出せた理由は三つ。親族のフルサポート、航空会社のサービス、そして娘の成長、でした。どれかひとつでも欠けていたら、とてもじゃないけど踏み出せなかった。

特に、三つめの「娘の成長」については、親である我々が冷静にこどもの成長具合を判断をすることが必要であると同時に、娘の成長を「信じる」ということも必要であり、そのバランスを適切にとることが何よりも重要だと痛感しました。これが本当に難しい。

かわいい子には旅をさせろ、とはいいますが、この諺がとっても深いものだと気づいた2015年冬。

さて、次回は、「6歳の娘がひとりで飛行機に乗って日本に行った話」シリーズの最終回。実際にやってみてどうだったかについて書いていこうと思います。お楽しみに。

おまけ

一人旅用に昔の私のiPhoneを渡し娘に持たせました。使い方の練習をしていた際の、娘と私とのSMSのやりとり。娘のどきどきが伝わってきます。

(娘)ハロー
(私)ハロー、どんな気持ち?
(娘)いいよ、だけど、ちょっと怖い。
(私)だいじょうぶよ。寂しいけど、あなたを誇りに思うよ!もう立派なおねえちゃんだね!

20151220_103939000_iOS

親にとってだけではなく、当然6歳の娘にとっても、大きな大きな大冒険であることを改めて認識したやりとりでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です