◎勝手に検証◎日本は、妊婦にやさしい国?それとも厳しい国?~電車編~

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はじめに~NYで妊娠&香港で出産~

先月、第二子を香港で出産しました。予定日を4日超過し長女の誕生日が終わる1時間半前に生まれてくるという奇跡の!?子です。まさに6年ぶりの妊娠、6年ぶりの出産、6年ぶりの新生児。あらゆることを忘れているため、慣れていないようにみえるらしく、経産婦ですというと、看護師さん等から驚かれる始末。一方で、二人目なので「なんとかなるかな」ということで、余裕を持ちすぎてルーズに行動してしまうことも。

第一子のときは、東京で妊娠出産、だったのですが、今回は、NYで妊娠、妊娠28-32週で東京に一時帰国、そして妊娠後期及び出産を香港へ引っ越し、ということで、はじめての海外妊婦生活&海外出産。戸惑ったり、後悔したりすることもありましたが、それでも、驚きや発見の連続で、結果的にはこのような経験をすることができてよかったなあと思っています。

さて、前回と今回あわせると、東京、NY、香港において、妊婦生活、出産を経験したわけですが、この分野でも、各都市の大きな違いを肌で強く感じた私。日本の良い点、改善すべき点、これからの課題を考えるきっかけにもなりました。この経験や問題意識をぜひ共有したい、という思いから、しばらく、今回の妊娠出産経験をネタに記事を書いていこうと思っています。また、NYや香港で妊娠、出産をする方々にも有用な情報を提供していけたら、とも思っています。

◎勝手に検証◎日本は、妊婦にやさしい国?それとも厳しい国?~電車編~

「赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない」というキャッチフレーズがFacebook上で多くシェアされていたのはもう1年以上前でしょうか。赤ちゃんにきびしいかどうか、も重要な問題ですが、その前段階で、妊婦にきびしい国かどうか、というのも考えなければならない課題のひとつであると私は思っています。

先日「マタニティマーク、「暴力の標的になる」と自粛する妊婦も」という記事を読みましたが、この記事に象徴されているように、妊婦への風当りの強さは、昨今よく話題に上がっているように感じます。私も以前アメリカでの経験を踏まえて、「アメリカ人の爆笑を誘ったマタニティマーク。その先に見えるもの。」でマタニティマークに関する持論を記載しましたが、はてさて、マタニティマークの問題も踏まえつつもあえてここで考えてみたいのですが、日本って本当に妊婦にきびしい国なのでしょうか

東京、ニューヨーク、香港、での妊娠生活を振り返ると、、、日本は全くもって遅れてる、妊婦への風当たりが厳しすぎる!!!!と一刀両断にできないことに気づきます。もちろん改善すべき点は多くあるとは思うのですが、海外において妊婦体験をして初めてわかる日本のすごい点というのも多々あるのです。これから複数回にわたって、わたしの数少ない経験に基づき、「日本は、妊婦にやさしい国かどうか」、独断と偏見で勝手に検証していきたいと思います!

さて、今回は、電車(公共の乗り物)編。

電車問題?については、これまで、「ベビーカー論争に思うこと」や「アメリカ人の爆笑を誘ったマタニティマーク。その先に見えるもの。」で散々言いたい放題いってきたので、結論はもう目に見えているかもしれませんが、あえて、妊婦の視点から、Tokyo、New York、そしてHong Kongを比較していきたいと思います。

ニューヨーク

さて、ニューヨーク。

ニューヨークでは、ほぼ毎日地下鉄を利用していました。とはいっても、電車に乗っている時間は、こどもの送り迎えを含むときでも4-5駅分、送り迎えがないときは、2-3駅分。ほんの短い時間しか電車に乗っていませんでした。にもかかわらず、です。おなかが目立つようになってから、電車に乗ると、その超短い乗車時間内に、ほぼ毎回しかも下手すると何度も「座りませんか」というお声がけが!ちなみにこれはバスでも一緒。

老若男女かかわらず、妊婦と気づけばすぐに、譲ってくれようとするではありませんか。これには本当にびっくり仰天です。

NYの高「席譲り」率について、ニューヨークに住む友人と話をしていたところ、彼女から、日本に比べて、電車に乗っている時間がみんな短いから気軽に譲れるんじゃないかな?という指摘を受けました。たしかにそういった側面はあるかもしれません(長い乗車時間だと、せっかく確保した席を譲るのは抵抗感が増すのは事実。中学のときから1時間以上の通学をしてきたわたしはよくわかる!)。

それでも。。。「すぐ下りるんで大丈夫です」と断っても、新しく駅に入って、座っているメンバーに変動があるたびに、座りませんか?と声をかけられるニューヨークの地下鉄。良かったなあ、、、これが日常になっていると、帰国した日本はびっくりでした。

東京

7月の後半2週間、1時間半ほどかけて電車に揺られて通勤していた私。8月に入ってからは、約20日間全国を娘と一緒に親族巡りをし、そのときもすべて新幹線を含む電車移動。

ちなみに第二子で8ヶ月のため、おなかは臨月かと見間違うような大きさ。アメリカかぶれで帰国したので、洋服は、すべてぴったり体のラインに沿ったワンピでおなか目立ちまくり。

最初の1週間。誰も声をかけてくれないのに衝撃を受ける。なんでだろうと思って観察していたところ、気づいていない人が多い様子。なぜなら、7-8割がスマホに集中し、残りの人は寝ている。。。そうか、冷たいというよりは、他人に無関心なだけ!?アメリカの地下鉄と違って、東京では地下鉄でもJRでもとにかく電波状態が良いから、みんなスマホに夢中、だから気づかないだけ。。。かも?!と自らに言い聞かせる。

最初の週末。空いている車内では、若い女性が声をかけてくださいました。やっぱり気づいていないだけかもしれない!?

次の1週間。日本で生まれ育った私ですので、東京にはすぐ慣れる。譲られないのが普通だ、とおもうとあっという間に慣れてきて、いちいちびっくりしたり、ショックを受けたりしなくなり。。。

すると、どうでしょう。電車でふとした瞬間に触れる人のやさしさにむちゃくちゃ感動するようになります。せっかく並んでとった席を譲って下さろうとした男性、気づいた瞬間あわてて無言で席を立たれる方、大きなトランクケースを新幹線に乗せるのを手伝ってくださる方などなどに出会ったときは、とてもとてもありがたいと思いました。それと同時に、なんだか申し訳ない気持ち、後ろめたい気持ちになる私

そう、自分自身の気持ちにも変化が生じたのです。アメリカにいたときは、声をかけていただいたり、譲っていただくと、単純に、ありがとうございます!!!という感謝の気持ちだけが生じるのですが、日本の一時帰国中は、ありがたいという感謝の気持ちと、申し訳ないという気持ちが同時に湧き上がってくるのです。そして、だんだんと、よほどつらくなければ、申し訳ないという思いを持ちたくなくて、座席の前に立たないようにしている自分がいました。

自分自身のこの気持ちの変化には結構びっくり。申し訳ない、と思うのは、「謙虚」の心として、美徳とされがちな日本ですが、これがマタニティマークが敬遠する心理につながるのかもと思いました。

妊婦に席を譲るのが「普通」で、譲ってもらうのも、譲ってあげるのもハードルが低いニューヨークに比べると、やっぱり、日本の電車の中は、妊婦にとっても、妊婦に出会った人にとっても空気を吸いづらいところだなあ。。。というのが正直な感想です。とはいえ、6年前に妊娠していたときは殆ど譲られた記憶がなかったのですが、今回の一時帰国中は助けて頂くことも多かったので、少しずつでも変わってきているのかもな、とも思いました。

香港

香港は、日本と同じアジア文化圏であるせいか?、アメリカほどの、あからさまな、Lady Firstや子供優先というのは感じません。が、地下鉄で譲られる頻度は結構高かったです。日本との大きな違いは、日本でお声がけしてくださる方は、女性か、お子さんがいらっしゃるであろう30-40代の男性がメインだったのですが、香港では、老若男女問わずという点。なぜだろう。。。

ただ、混んでいるバスでは、あまり声をかけられることはありませんでした。地下鉄とバスとでは、利用者の客層が若干異なる気がしており、そういったことも影響しているのかなあと邪推したりしました。

結論

さて、「妊婦にやさしい国?厳しい国?~電車編~」の判定は、ニューヨークに軍配です。香港と東京を比較すると、香港の方が、若干東京よりもやさしいかな。。。原因は、わかりません。東京の電波が良すぎるのかもしれません。日本人が謙虚の心を持ちまくってしまっているからかもしれません。恥かしがり屋が多いのかもしれません。

原因はなんであれ、私の数少ない経験に基づく独断と偏見モノ申すと、綺麗で案内もきちんとしていて電波も通じて時刻表通りに運行され乗客のマナーもしっかりしている東京の電車より、臭くて汚くて薄暗くて夏は異様に暑くて時々薬にやられてそうな人が乗っていて時刻表通りに来ない上に電波も通じず乗客のマナーも悪いニューヨークの地下鉄の方が、妊婦である私には快適空間でした。

でも、それって、やっぱり日本人としては寂しい。。。私の感覚は、日本の常識からだいぶずれてしまっているのでしょうか。。。

次回

とはいえ、電車内での息の吸いやすさというのは、別の側面からみたら、どうでもいい些細なことかもしれません。次回は、妊婦健診編。

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