ニューヨークが与えたこどもの変化-一時帰国中の子供を通じて見えた日米の文化-

娘と二人で日本に一時帰国して4週間が経ちました。NYで生活を開始してから2年2ヶ月ほど、娘と私は一度も日本に帰国していなかったので、本当に久しぶりの日本。この1ヶ月、前半2週間は東京で働き、後半は、関西、中国、北陸地方を点々と全国親族行脚をしております。二年間で変わった日本、変わらない日本、海外生活を体験してはじめて知る日本のあれこれ、等々多くの発見や、多くの友人たちとの再会を楽しむ毎日です。(毎日盛りだくさんすぎてブログ更新絶賛滞り中。。。)

色々な気づきは、また、別途まとめるとして、今日は、一時帰国で見えてきた、海外生活(特にNY生活)がもたらした娘の変化、それから気づく日米文化の違いについて所感を書こうと思います。

2年間のNY生活で、親である私への言葉が英語になる、とか、描く絵が「日本人」のこどもの描く絵ではなくなった、とか、目に見える変化には気づいていました。しかし、海外にいると見えなかった変化というものがあったんだ!と日本で暮らすことで改めて見えてきました。

その1. とにかく主張する

発言しなければ、全く評価に結びつかないという、アメリカの学校に二年間どっぷり浸かった娘。どんなことであれ、まずは声を上げなければ始まらない&声を上げることが歓迎されるアメリカ社会で鍛えられた娘の主張力は、日本で見ると驚くほど、「変わったもの」に見えました。

娘は自分が正しいと思えば、年上であろうが、大人であろうが、容赦なく「わたしは正しい」と主張。

たとえばいとこ同士の喧嘩でも、仲裁に入るとかならず「わたしは、こうした、だからわたしは悪くない」と自分の潔白を主張する。または「だれだれがこうした、だからだれだれが悪い」といって相手の悪いところをあげつらう。アメリカで見てればごく普通の光景でも、不思議なもので、日本で見ると、自己主張の激しいこどもにみえてしまう。

列に並んでいるときに、大きい子供や、時には大人に列をぬかされたときは、容赦なく「私が先!」と主張。

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また、こども向けの参加型イベントに行った時のこと。係員さんの説明中に、平気で手を上げて質問を投げかける。周りのこどもは、黙って説明を聞いている中、平気で係員さんの説明を中断する娘。質問をいっぱいして、自分やるじゃん、とでも思ってそうな得意げな娘。いつもと勝手が違うため戸惑う係員さん。かわった子がいるものだと不思議そうな視線を向ける周囲のこどもたち。。。

水族館や、アミューズメントパークで、周囲のこどもとのこのような歴然とした差を目の当たりにしたときに、仮に学校にいっていたらは、もっと強い違いを感じることになるんだろうなと痛感。

(日本の小学校は、生徒たちの席は、黒板に向けて整然と並べられていますが、一方で娘がNYで行っていた学校は、班ごとに机が向かい合って並べられていました。「先生のお話を伺う」のが基本姿勢である日本の小学校と、「議論しながら授業を進めていく」NYの小学校の差が席の並べ方一つでも表れているような気がします。)

その2. こどもは最優先だと思っている

以前の記事「ベビーカー論争に思うこと」にも記載しましたが、アメリカでは、小さい子供は最優先でした。

NYでは、公共機関において、「幼い子供」というだけで席を譲られます。入国審査や飛行機の搭乗などなど、小さい子供連れというだけで、最優先に案内されること多数。人ごみで立ち止まってショーをみるときなども、座席指定がなければ、小さいこどもは見やすいように前に優先的にみな行かせようとします。静かにしなければならない場所や子供禁止の場所以外では、幼い子供が、騒いでいようと、周囲の人は、そういった幼い子供の行動を受け入れてニコニコ見守っていることが多いのです。

そんな環境にどっぷりつかったせいで、日本でみる娘の行動はしばしば「傍若無人」で「しつけのなっていない」こどもにみえ、冷や冷やすることが多かったです。

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大混雑の水族館にいったときのこと。各水槽の前は人ごみでいっぱい。娘は、当然自分は前に行って見させてもらえるものだと思いこんでおり、「しつれいしまーーーーーすっ」(おそらくExcuse meを訳して話しているのでしょう)と叫び、ずんずん同い年のいとこの手をひっぱり人ごみをかき分け水槽の前に進んでいく。そして毎回ベストポジションを確保し、写真をとりまくる。

周囲は、「なんだこの子?」「親は何してる?」という視線&雰囲気。文句こそ言われませんでしたが、じろっという批判めいた視線を向けられることも多く、ひたすら恐縮。

またあるときは、電車で娘と立っていると、少し離れているところの席が空こうとしているのを見つけた娘。我こそが、と、どんどんその席の方に進んでいく。あわてて「迷惑だからやめなさい」とわたし。「なんで?」と娘。

困ったことは、娘に、やめなさい、と言うにあたり、その理由の説明がうまくできないこと。日本で生まれ育った私としては、日本のことを悪くは説明したくない。しかし、小さいこどもが水槽の前に行っても、大人は見えるしなんにも支障はないはず。とくに水族館という場所である以上、子供には大人以上に楽しんでほしい、と私自身は考えるため、娘の行動がそんなに非常識な行動にも思えず。電車でも小さいこどもがたっていて、健康そのものの人たちがずーっとスマホでゲームやらネットサーフィンやらをやっている姿の方が違和感に感じるわたし。。

小さい子供は最優先に扱われて大事にされる、という感覚に基づいて動いている娘の行動が、日本では「少し違うんだよ」というときの説明が難しいなあと感じたのでした。

その3. だれとでも話す

前記事「久しぶりの東京-驚き&感動10選-」でも記載したのですが、アメリカでは、歩いているだけで色んな人に声をかけられました。まして子連れだとなおさら。さらに、その1にも書いたように、何か思うところがあれば声をあげるのが基本姿勢として求められるアメリカ。

娘は気づけば、日本でみると不思議なほど、相手やところかまわず、人に話しかける子供になっていました。

タクシーの運転手さんにも、話しかける(タクシーの運転手さんは自分が話しかけられていると気づかず)。電車で隣に座った人にも話しかける(話しかけられた人はびっくりして戸惑う)。同じキッズイベントに参加していた、小学校中学年くらいの大きなお姉さんにも、話しかける(友達でも知り合いでもない子供に話しかけれてぎょっとしつつも、答えてあげてるお姉さん)。

NYで生活しているときには気づかなかったけど、日本でみると「不思議なこども」「きちんとしていないこども」。海外生活が長引けば長引くほど、きっとこういった差というものは大きくなっていくのではないかと想像します。

まとめ

 

これらの変化はもちろん、単なる成長の過程で出てきた個人的な性格という面も強いかと思います。それでも、日米の文化の違いのあらわれかもな、と感じた私。大人である我々は適宜うまくアジャストするけれど、こどもはそういうわけにはいかない。娘がこの一時帰国中にときおり見せる戸惑いの表情、娘の行動に戸惑いをみせる周囲の反応をみて、海外にこどもを連れ回すという生き方を選択する以上、こういった文化の違いがもたらす衝撃とうまく付き合えるように、娘を導いてあげるのが親の義務だなと改めて感じています。

今回は一時帰国だけれども、本格的に帰国したとき、娘がソフトランディングをし、それぞれの文化の違いを「おもしろさ」として体験してもらえるようになってもらいたいと強く思うと同時に、親として何ができるか、考えていかなければならないと改めて思いました。解決策は全く思い浮かばないので、これからの課題です。

2 Comments on “ニューヨークが与えたこどもの変化-一時帰国中の子供を通じて見えた日米の文化-

  1. 思わず連投してしまいました。
    日本に帰国し、一番迷ったのが、娘の学校選びでした。なんせ、住んでたところでは、Timonさんと同じ感覚で娘も過ごしてましたし、KG1から既にディスカッションが毎朝あるんですよ。
    なので、自動的によく発言、主張するようになりますし、帰国後、浮いてしまいました。
    兎に角、皆と違うという理由で攻撃対象にされてしまいます。

    知らない人同士、よく話すというのも、大人の私でもよくあり、そのお陰で仲良くなった方は幸運にも沢山いますが、日本では、、、驚かれるか、引かれてしまいます。

    人同士の垣根は日本と比べて圧倒的に低い気がします。目に見えて階級差はものすごいですが。

    結局娘は現地生活で培った感覚に近かった私立に行かせてます。行かせて分かったのは、知らない生徒が一様に話しかけてきます。親も同様。
    皆よく喋るし、日本人的には自由すぎる感じもありますが、、、。

    正しい選択だったのか分かりませんが、いずれ人口が急減する日本では娘が成人する頃には、日本の感覚は少数派になると思っています。

    親としては、また小学校卒業前には海外に戻るし、良いか!と割り切って今の学校生活エンジョイしてます。

  2. パパさん、連投深謝です♪

    小さいころからの「発表」「ディスカッション」トレーニングはすさまじいものがありますよね。香港のインターよりアメリカの現地校の方がその傾向が強い気がしています。ドバイやタイのインターでもそうなんですね。

    目に見える&見えない同調圧力というのは、たしかに日本は比較的強い気がします。私が小学校のときを振り返ってもそうですし、というか日本で生きていく以上は、ずっと「空気を読む」力が必要な気がしますし、その力だけは毎年毎年向上している気がする自分がいます。苦笑。

    わたしも日本に帰国してからの娘の学校選択は悩むところです。パパさんの、海外体験&日本帰国後の子育て体験、ぜひ色々教えていただきたいので、これからもぜひコメント等よろしくお願いします♪

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