こどもを預けて夫婦でデートはあり?

こどもを預けて夫婦でデートをするのはありかなしか。

これは少し前、Yahoo!ニュースで取り上げられていたテーマです。芸能人のテレビ上での発言を契機にネット上で議論が盛り上がったというものでした。色々な賛否両論が書かれており、またFacebookなどのSNSでも意見を述べていた方も多かったように記憶しています。この論点は、ニューヨークにきてから、なんどか自分の中であがっていた論点である夫婦や家族の捉え方と深く関連する話だったので、大変興味深かったです。この問題、あなたはどう思いましたか。

他人の価値観に口出しするな

この問題に対して、個々の価値観に基づくものであり、他人が口出す問題ではない、という主張を多くみかけました。その通りだと思います。でも、残念ながら、世間とずれたことをしていると口を出されるのはある程度致し方ないことだと思います。大きな問題だとも思いますが、そこを議論しても、出口が見えなくなってしまいそうな気がするので、今日は「夫婦デート」がなぜ「世間とずれている」のかどうか、わたしの思うところを書きたいと思います。

ニューヨークでは

ニューヨークではParent’s night outといってベビーシッターに子供を預けて夫婦で出かけるというのは、日常風景の一環でよく見かけます。学校主催の親向け交流イベント(夜開催)も「カップル参加」が普通です。いろんなパーティーが催されていますが、相手の職場のパーティーに、カップルの片割れが参加するというのは良く見受けられます。結婚したり恋人がいたりするのに、ひとりで参加していたりすると、「今日、あなたのパートナーはどうしたの」となるわけです。

バレンタインデーの夜、残業してふらふら街中をひとりで歩いて帰っていたら、レストランの中には、明らかにこどもがいそうな年齢のカップルが多くいたし、道路には、一本のバラの花を持った女性が男性と歩いている姿を多くみかけました。すばやく目を光らせると、薬指には指輪が光っているケースも多く、きっとこの中にはこどもがたくさんいるカップルがいっぱいいるんだろうなと思いました。

日本では

いうまでもないと思いますが、2年前と状況が変わっていないのであれば、上記のようなことは日本では日常生活の中であまり見られないはず。せいぜい、半年に1回、1年に1回程度、祖父母に頼んでお出かけするといった「特別」イベント。しかも夜まで預けるのは気が引けるから、昼間に夫婦で出かけて夜は子供と過ごすというパターン。私の育った家庭でも両親が二人きりで出かけて食事やデートを楽しんでいるというのは、小さいときに見たことがありません。

冒頭に掲げた論点を、聞くとき、おそらく若い世代に聞けば、「こどもを預けての夫婦デートはありでしょう」という人が多いのではないかと考えます。それでも、いざ、では、子供がいる夫婦に、どれくらいの頻度で夫婦二人きりのデートをしていますか、と聞くと、しょっちゅうしています、という方は本当に限られてくるのではないでしょうか。参考になるデータはないかなあとさくっとネットサーフィンをしてみましたが、あまり信頼を置けそうな新しいデータは見当たらず。それでも、多くの記事に共通していたのが、夫婦間のデートは少ない、多くても1年に1度か2度で非日常的なもの、というものでした。

なぜ夫婦デートを躊躇してしまうのか?

ちなみに我が家も夜間に二人で外出するということはあまりありません。東京でもニューヨークでも職場が近いため一緒にランチはしていましたが、夜間となるとあまりなく。といっても、2ヶ月に1度くらいは二人だけで夜間に外出する機会があるので、日本の多くの家庭よりはその回数は多いのではないかと推測します。

そんな我が家の現状を日本人ではないママ友に話したところ、真顔で、「あなたは重要な夫婦間の問題を抱えている。私がこどもを見るから、とにかく、Parent’s Night Outは実践しなさい」と注意されました

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彼女のその言葉は、その後、自分の中で日本人の中の夫婦像や家族、子供の捉え方について考えるきっかけになりました。なぜ、私を含む日本人は夫婦で外出することを躊躇してしまうのか。

「子供がかわいそう」というのがまず第一に出てくるのかと思います。仕事で家を空けるならまだしも、自分たちの「遊び」を理由に子供を一人で残すのはかわいそう、という考えです。次に出てくるのが、「人様に預けてまで遊びに行くべきなのか」という思い。ほかにも、夫婦のデートに使う金銭的な余裕がない、という問題もあると思います。

これはいずれも優先順位の捉え方なのかなと思うのです。極端な言い方をすれば、「夫婦関係」という事項が、その人を取り巻く多くの要素の中で、劣位(それもかなりの劣位)に位置づけられているケースが多いのではないかということです。またそういった雰囲気が蔓延しているため、「夫婦関係」を上位に置こうとしても周囲から浮いてしまうために躊躇する、ということもあるのではないかと思います。あくまで自分の経験上ですが。でも「夫元気で留守がいい」という伝統的な(?)言葉はまさに劣位におかれつづけた夫婦関係が生み出した言葉なのかなと思うのです。

「家族」や「こども」を大事にしているのかというと・・・?

では「夫婦関係」を劣位に置いているとしたら、なにが優位に置かれているのでしょうか。「家族」や「こども」?日本人は、夫婦関係を重視している欧米諸国よりも「家族」や「こども」を大事にしている?わたしはそうは思いません。色々な人がいるとは思いますが、日本人が家族やこどもを大事にしているように、欧米諸国の人たちだって家族やこどもを大事にしていると思います。

むしろ、非難と語弊をおそれずにいえば、「わかりやすい形」で家族やこどもを大事にして「みえる」のは、どちらかというとこちらで出会った欧米諸国のファミリーである気がします。学校の家族イベントには、午後5時前開始であるにもかかわらず、スーツ姿の両親をかなりの確率で見ました。休日のこどものお誕生日会やプレイデートでのお母さんだけではなくお父さんの参加率はかなり高いです。友達の家に訪れても、夫婦ともにそろっている事が多く、お父さんもお母さんも、ともに子供の世話や接客におわれています。

ちなみに、わたしが娘を通わせていた東京の保育園でも同じ状況で、パパママ両方の送迎率、行事参加率、育児参加率がむちゃくちゃ高かったのですが、いざ自分自身が勤務していた会社の状況やその他のよく聞く話を振り返ると、娘の保育園の状況が、東京の、日本の一般的な姿なのか、というと、疑問符がぷかぷか浮かんでくるのです。こどもの行事を理由に休んでだり、早退、遅刻をする人はほとんどみたことがありませんでした。夜もみんなガリガリ仕事をオフィスでして家に帰ってこどもと夕飯をともにしている様子はあまりみられず、早く帰れる日も家に帰らず、同僚同士で飲みにいき親睦を深めることも。休日もちょくちょくゴルフ大会が入っていたり。

数年前の4月、一緒に仕事をしていた方と電話をしていたときのこと。「今日は娘の小学校の入学式なんですよ」という彼。「え?なんで会社にいるんですか?」と私。「いやあ、休むわけにはさすがにいかないでしょう」と彼。「え、仕事よりも大事なことじゃないですか!家族に一生言われますよ、パパは入学式に来なかったって。笑」と私。「そうなんですけどねー、仕事に穴を開けるわけにもいかないからね」と彼。

もちろん仕事に穴を開けるわけにはいかないと思うのですが、そのときの仕事は基本的にチームで動いているプロジェクトだったので、たった数時間抜けるのはどうにでもなったはず。もちろん制度上は問題なし。きっと彼が部署内で休暇申請をすれば、認められていたと思います。がそれでも彼は休暇申請をせずに出勤することを選んでいました。

彼はなにも家族やこどもをないがしろにしているわけではないと私は宣言できます。家族やこどもの生活を支えるために、行きたい入学式を我慢して出社しているのですから。先ほどあげた、残業、同僚との食事、休日ゴルフに追われる人たちも、これらを通じて、より良い成果を出すために、より良い同僚との関係を構築するために参加しているわけであり、それらはすべて、家計を支える立場にある人たちにとっては、家族やこどものより良い暮らしのためという最終目的に帰結していると思うのです。私だって、職場のイベント(単なる飲み会含む)を夫婦のデートや時に家族イベントよりも優先していたのでよくよくよくわかります。

でも面白いことに、日本のオフィスでは、典型的に職場の関係を優先している方々も、まるで別人のように、海外駐在中は夫婦の時間や家族の時間を大切にしていたりするのです。つまり、社会や職場の「環境」や「空気」が日本の夫婦スタイルや家族のスタイルに多分に影響を与えていると思うのです。言い換えれば、私がニューヨークで目の当たりにした、家族やこどもの優先の仕方は、今の日本の会社の仕組み、残業の仕組み、人との関係構築の仕組み、など等からはどうしても実現しにくいことなのではないでしょうか。まして、夫婦関係を優先するなんて、世間体を考えるとかなりハードルが高いことなのかもしれません。

でもね、わたしは、夫婦関係を最上位に据えるような家族のあり方、夫婦のあり方に少し憧れを覚えるのです。そんな夫婦は多いはず。夫婦って一番の友人であったりします。共通の話題も多いし、一緒にいる時間が長い分感性もすごく近い。それでも家の外では別々に過ごしているから、見ている世界はぜんぜん違って、全く異なる世界を教えてくれる相手です。しかも遠慮とか気遣いとか不要。楽しいひとときが過ごせるはず。

皆さんも、たまには世間の目を忘れて、「夫婦」というものを優先してみませんか。

One Comment on “こどもを預けて夫婦でデートはあり?

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