住み込みのお手伝いさんとの生活ってどんなもの(3)

書く書く詐欺とパートナーに揶揄されそうなくらい、前回記事投稿から時間がたってしまいました。最近の気になる話題でいくと、元SMAP3人の72時間ホンネTV。Yahooニュースで流れてくる情報をみていると、単なる芸能人のゴシップネタではなく、長らく伝統的な日本企業に勤めていた人が、自分のやりたいことを求めて悩んで悩んで悩みぬいて、覚悟して、会社を辞めて、多くの困難が待ち受けているのを覚悟のうえで、前向きに頑張ろうとうする人のように見えてきます。Abema TVの存在すら初めて知った私ですが、最後のフィナーレで彼らが流す涙が、なんだかとても身近に思えて、なんだか勇気をもらっていました。SMAPファンでもなんでもないけど、そんな勇気をもらった人、多かったのではないでしょうか。

さて、住み込みのお手伝いさんとの生活ってどんなものか、今日は最終回の第三回。お手伝いさんとの生活にともなう、悩ましいこと&ありがたいことについて書きたいと思います。

悩ましいことーまさにマネジメント能力が求められるー

小題に集約していますが、お手伝いさんとの生活において、あなたに求められるもの、それはマネジメント能力です。

香港にきて、はじめて、わたしは仕事で、香港人の部下を10人以上持つことになりました。毎日四苦八苦していますが、家庭でも同じことが求められているなと痛感。

何が一緒か。すべて、です。

どこまで裁量を持たせるか、どこまで判断を信じるか、どのように信頼関係を構築し良いチームビルディングをするか、コンプライアンス問題を起こさないシステム作りはどうするか、文化的差異をどう乗り越えるか、どこまで不満や要望を聞きいれるか、どうやって働くモチベーションをキープさせ続けるか、舐められないために・嫌われないためにどうするか、、、

これらすべてのことが、仕事上のマネジメントでも、家庭内でお手伝いさんのマネジメントをするうえでも一緒だなあと感じるのです。

世の中巷にあんなにマネジメントのノウハウ本があふれていることからもわかるように、皆苦労するマネジメント。

まして、会社のようにアセットやルールが整っている状態とは違う家庭で、しかも何よりも大事な子供の命を預ける以上、マネジメントに伴う緊張感・大変さは職場よりも大きいともいえるかもしれません。国も文化も育ってきた環境も違う人を雇うというのは、それなりにエネルギーを使うことは言うまでもありません。

ちなみにテーマはもう上げだすときりがない。しかもむちゃくちゃ細かいことまであげられます。笑

①お財布を預ける中、どこまで買い物内容を把握するか、②部屋にWebカメラを設置するか、③休暇はどこまで認めるか、、、

(ちなみにわたしの現状は以下のようなオペレーション。①→毎回レシートとお釣りと内容をチェック。お釣りがあわないときが、連続した場合のみ、聞く。②→部屋にWebカメラを設置しているが、ほぼ見ていない(見ると気になって仕事にならない)③→法定休暇よりも多くの休暇を付与(自分が旅行がいないときに休んでもらっている)。これが働くモチベーションになると信じて。閑話休題。)

私が素敵だな、と思うママたちは、「そんなの気にしなくていいのよーーー、お互いハッピーに暮らせればそれでOK」と超さっぱりしているのですが、当初私はそんなこと言ってられず、色々ぐちぐちと悩んだりしたものでした。でもようやく最近は慣れてきたかな。

パートナー、キレる

私があまりぐちぐちと家庭内マネジメント業務について悩んでいると、たいていパートナーがぶち切れます。

「なんのために雇っているんだ、悩みを増やす為じゃない。悩みに使っている時間にあたる自分の時給を考えろ」と。

そりゃそうだな、と思ったし、その言葉は、仕事上のマネジメントでも結構役に立っています。

彼、曰く「最悪、子供が生きてハッピーでいれさえいればいいんだ。」と。むむむ。。。ちょっと割り切りすぎな気がするけど、ひとつの考え方だなと思うし、それくらいの覚悟を持っておかなきゃいけないのかもなと、それを言われるたびに思います。

お手伝いさんがいてありがたいこと

これも上げたらきりがない。ありがたいことだらけですが、ひとことに集約するのであれば

お手伝いさんがいるから、「自分のやりたいこと」に時間をそそげる、こと。

逆に、子供がいて、家事育児共に母親の双肩にすべてかかってくる状況だと「自分のやりたいこと」に時間を思い切りそそぐなんてこと、よほどの超人じゃないと無理。

よく、香港やアジアで生活していた人が日本に戻ってから、外国人労働者のヘルパーを受け入れることが、女性活用の活路となると、と主張しているのをみますが、それは、まさにこのことでしょう。仕事がしたい人は、出来た時間を仕事に回せるし、仕事以外の趣味をしたい人は、趣味に回せる環境ができるのです。

また、香港では多くの家庭でお手伝いさんがいるのが普通で、「家事育児→親がすべてやらなければならないもの」という(私が思うに超時代遅れな)価値観がないので、女性の気持ちを軽くし、自分のやりたいことに向き合って進んでいこうとする女性が増やしているように思います。

わたしのように掃除洗濯が大大大嫌いで、家事積極的外注主義にも記載しているように、日本に住んでいた頃から(今のように家事の外注があまり騒がれていない7年前より)がんがん外注していたわたしとしては、「自分のやりたいこと」と家事育児との間でバランスをとりながらキラキラしているママが多い社会は生きやすいし、お手伝いさんがいてくれることを有り難いなと思っています。

それから、もう一つ、他人と暮らす、というのは、それだけで自分の人生を豊かにしてくれます。香港に住まなければ、フィリピンの人と一緒に住むことはなかったでしょう。一緒に暮らすことは、彼らの母国での暮らし、文化について身近に学べるチャンスでもあり、私の視野を広げてくれています。それはそれで楽しいものです。また、先に挙げたように、良い意味で家でもマネジメントの訓練をしているわけですから、仕事でも、ここで鍛えたスキルを活かすことが気がします。

外国人のヘルパー受け入れ、日本の社会になじむのか

実は香港でも、外国人のヘルパーの受け入れが進んだのは、1980年代以降で、1990年代-2000年代に急激に進んでいったといわれておりそんなに長い歴史があるというわけではありません。女性の社会進出が増えていったことに相俟って外国人ヘルパーも増えていきました。

香港人の間でも私の世代の同僚と話すと、ヘルパーがいない中で育ったという人は多いので、こんなに急激に多くの家庭でふつうに雇うようになったというのは、2000年代以降の話といえるのではと思います。と考えると、日本社会でも、ビザの壁がぐっと下がれば一気に広がる可能性もあるかもしれません。

ただ、人口減→外国人労働者、人口減→女性の社会での活用→家事は外国人労働者、という安易な考えで施策を進めるのは絶対にやめるべきだと私は思っています。リモートでしか日本の状況はわかりませんが、今の報道をみていると、あまりにも議論がされていない気がします。

トップダウンで進めてはじめて道ができて進めていって成功するというケースも多いですが、このような制度導入は、日本国民だけでなく諸外国の人々の生活・幸福に直結する話です。あとから、ハイヤーメタ、で済む制度設計の話ではないというのが私の持論です。制度を作る側の官公庁の人々は、外国人ヘルパーを雇って一緒に生活するといったことをしたことがない人ばかりだと勝手ながら想像します。だからなおさら、議論を尽くしてほしい。それが私の願いであり、この3連載を書いた大きな理由の一つです。

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