子連れ海外赴任で事前にやっておくべき3つのこと

海外赴任という辞令を受けたとき、お子さんがいる場合、やはり一番気になるのは子育て環境なのではないでしょうか。私の経験と反省をふまえ、子連れ海外赴任で最低限事前にやっておくべき3つのことを記録しておきたいと思います。

その1.最低2年先まで見据え育児教育環境の事前調査と確保

働く親にとって、日中子供を預かってくれる施設の確保は絶対です。そしてできることなら、可能な限り良い環境を提供したいというのが、多くの親に共通する願いのはず。そのため、子供の育児教育環境の事前調査と確保は必須作業です。

(1)子供が未就学児である場合

とにかく調べて、アプローチ

日本のように、朝7時半から延長保育を用いれば8時過ぎ、ひいては10時過ぎまで預かってくれるような施設は、実は世界中を見渡しても少ないのではないでしょうか。少なくとも、私の知る限り、ニューヨークではベビーシッター文化が根付いているせいか、Day Careのサービスもどんなに長くても7時半まで。多くのPreschoolやDay Careサービスの預かり時間が4時まで、とか、5時までとか。週1回は半日保育である施設もしばしば。待機児童問題が叫ばれてはいますが、ベビーシッターや祖父母のヘルプがなく、お父さん&お母さんだけで、なんとか子育てができる環境が整っている日本って実はすごい国だと実感したのを今でも覚えています。

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赴任先の国、地域によって生活スタイルが異なる以上、提供される保育サービスも全く異なるはず。現地で働いている人がどうやって子育てを行っているのか、ネットや口コミで事前に調査し、自分の赴任後の生活にマッチするような保育サービスのパターンを想定する。その上で、実際にサービス提供施設を探し確保しなければなりません。ベビーシッターについては、絶対に、生活にある程度慣れ現地の事情に精通した上で、何人も面談し、相手を良く見極めた上で雇うべきだと思ったので、事前に用意はせず、口コミとネット情報から、とにかく保育時間が長いところをリスト化して個別にメールを送って空き状況を確認していきました。

ただ、良い施設は、当然誰もが利用したいはず。Waiting Listがいっぱいで入れないと断られることもしばしば。とにかく、良いと思った施設にはとにかくメールを送り、空き状況を確認、Waiting Listに名前を載せられるのであれば載せる、断られても何度もネゴをする、という積極性が重要です。

 

情報の集め方

  • ネット:
    なんと便利な世の中なんでしょう。とにかくネットに情報があふれています。とくに、現地の言葉で調べれば、結構出てきます。
  • 口コミ:
    とにかく手当たり次第、その土地に住んだことのある人にコンタクトをします。子供がいない人でもコンタクトをして、現地の子持ちで働いている友達を紹介してもらい情報を入手。恥ずかしがっていたり、迷惑かも、と思っている場合じゃありません。口コミはやはり最大の情報源。困ったときはお互い様ですし、とにかく、知り合いの知り合いでも、躊躇することなく情報を聞いて回りましょう。その際日本人の情報だけではなく、ローカルの子持ちで働いている人の情報もできれば得るべきです。
  • 会社:
    赴任先のオフィスの総務部などが情報を提供してくれることもあります。
  • 外務省が提供する各国地域の領事情報:
    外務省が各国地域の生活情報の一環としてこどもの教育に関する情報を提供してくれています。とくに日本人が少ないような地域では、こういった情報は頼りになると思います。日本語ですし。
  • 当該都市の大学が提供する情報:
    案外使えるのが、これ。赴任先の都市に大きな大学がある場合、当該大学が、子連れの教員や生徒のためにDay Careのリストを提供していることが多いです。大学が提供しているリストなので、ある程度信頼度は高く、私もこれを大いに活用しました。

 

必ず事前に見学を

いくつか候補施設を選んだら、必ず事前に見学をするべきだと思います。こどもが自身の渡航後しばらくしてから合流する場合はこどもの渡航前に、こどもと一緒に渡航し子供の保育開始と同時に勤務を開始する必要がある場合は、正式な渡航前に必ず現地に赴いて目で確かめて、先生と話し、施設の様子を見学することをお勧めします。日本の教育施設のように、どこにいっても一定のクオリティが確保されていると思ったら大間違いです。

 

(2)子供が就学児の場合

まずは学校の仕組みを確認

米国の場合、教育システムは州毎に異なるので注意が必要。ニューヨークの場合、多くの小学校が、Kindergartenからスタートです。Kindergartenを和訳すると幼稚園ですが、娘の学校の場合、やっている内容も小学校1年生のようなかんじ。Kindergartenに入学すると、そのまま、エスカレーターでGrade1(日本でいう小学校1年生)に進学するというのがメジャーです。国によってひいては地域によって異なる学校の仕組みは、いの一番に確認しなくてはなりません。

 

次に、自分の子供が、いつ入学するのか、どの学年に入るのか、を確認

たとえば、ニューヨークの場合、年度は9月始まりだけれども、学年は暦年で切られます。そのため2009年10月生まれの娘は、日本では2015年9月時点では幼稚園の年長さんですが、ニューヨークでは1年生。日本では同じ学年になるはずの2010年1月生まれの娘のお友達は、2015年9月時点では、ひとつ下の学年のKindergartenになってしまいます。

ちなみに我が家はこの作業を怠ったため、大失敗。娘が1年後に学区が関係するKindergartenに進学する必要があるということを把握せずに住居を選んでしまい、あとから学区問題に悩まされました(後述の住居についてもご参照)。

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該当する学年のカリキュラムが子供に合致しているかを確認

自分の学年は生まれた年月でどこに該当するか確認したあとは、その学年の教育カリキュラムが、自分のこどもに合致しているのか、確認します。生年月日に固執する日本の制度とは異なり、交渉により、飛び級が認められたり、学年をあえてひとつ落としたり、ということも認められることがあります。Kindergartenの娘の同級生には、本来Grade1にいるはずの2008年10月生まれのお友達が同じクラスにいます。日本では、アスリートに、4月生まれが多いという話しを聞いたことがありますか?4月生まれは、クラスで比較的体が発達しているために、自信をつけやすくなるため、というあの話です。最近NY市では、同様の効果をねらって、学年の後の方の月生まれのこどもはあえて、下の学年に進学させるというのがはやっているそうです。

 

最後に学区と学校の評価を確認し申し込む

現地の公立学校に入学させることを考える場合は、とにかく学区と当該学区にある学校の評価を事前に調べておくことが必要です。NYCの場合、NY市が提供しているこのサイトNYC Department of Educationに学区や学校、ひいては各学校の人種構成、成績なども調べることができます。この学区調べは住居選びにおいて非常に重要です。良い学校が見つかったら、申し込みの時期を確認して、申し込みしょう。途中編入の必要があれば、Admissionオフィスにコンタクトをとり、交渉です。

 

その2.住居の確保

こどもと一緒に渡航する場合は、できれば一度数日でもいいので渡航して家を探した上で、渡航前に事前に住む家を契約しておくべきです。サービスアパートメントで生活を開始して家を探した上で引っ越すという手段は、単身者や単身で先に渡航するケースにしか向きません。子連れでの引っ越しは途方もなく体力と気力を使います。特に海外の場合、日本のように懇切丁寧な引っ越しサービスがあるわけではない。マンションの契約交渉ひとつとったって、言葉の壁、慣習の壁があることで一苦労。特に子供がいる場合は、引っ越し先で新たなパパ友ママ友を作らなくてはならないといった苦労もついてまわります。とにかく赴任中の引っ越しは可能な限りしないに超したことはありません。

そのため、その1の「最低2年先まで見据えて」というお題目に戻るのです。数年住むことを前提に住居を選ぶべき、すなわち、数年後に直面するであろう学校問題も考慮に入れて、住居を選ぶべきです。このとき、我が家のように、小学校入学はまだまだ先だなんて、日本の基準で悠長に構えていると痛い目に遭います

ちなみに住居を選ぶときは、夕方の近所の公園をみてみると良いでしょう。そこで遊ぶ子供たち、保護者の様子がよくわかります。その地域が、自分たちの家族と合った地域かどうか、Family Friendlyな地域かどうか見極める一つの有力な情報源になり得ると思います。

 

その3.最低1ヶ月間こどもの緊急対応が可能な環境作り

外国にきて、いきなり言葉がわからない中、学校に入れられたときの子供のストレスというのは、親のそれとは比べものにならないくらい大きいものだと思います。誰もが同じ髪の色、肌の色を持ち、同じ言葉を話す空間から、いきなり、わけもわからないうちに、自分とはあきらかに違う見た目をしていて、しかも全くわからない言葉を話している人たちの中に放り込まれるわけですから。

我が家の場合、娘は渡米後翌日からフルタイムでPreschoolに入れましたが、最初の1ヶ月、精神状態は不安定そのもの。登校するのを異様に嫌がり毎日狂ったように大泣き。朝は戦争でした。学校でも泣き続け、一切食事も口にしない。何度も学校から、早く迎えにきてくれ、という呼び出し電話を受けるほど。学校外でも、当時3歳8ヶ月でしたが、街中はすべて「だっこ」。私と離れるのを極端に嫌がる毎日でした。一方で、親のわたしも、はじめての外国暮らしをスタートさせ、生活のセットアップに悪戦苦闘する毎日。渡米後すぐに学校も始まり、新しい環境に慣れるのに必死で余裕がない。しかも、夫がまだ日本にいたため一家の大黒柱は自分、家族を守らねばならない、というプレッシャーで禿げそうな日々。娘のケアを丁寧にしてあげるのに十分な心の余裕がありませんでした。一度、学校の先生の前でたまらず私が泣き出してしまったほどです。

ただ、私の場合は、最初の1ヶ月、母が一緒に来てくれたので、その点、学校の授業が入っていても、急な呼び出しに対応できるなど助かりました。食事や家事も母にゆだね、娘のケアと生活のセットアップと学校の準備に専念することができました。振り返っても、これには非常に助けられました。

とにかく、こどもの吸収力、柔軟性はすごいというけれど、最初の少なくとも1ヶ月は、子供が用意した保育環境、教育環境を全うすることができないことを十分に頭の片隅いれ、いざというときに何か助けを得られる手段を整えておくべきだと思います。短期間だけ誰かに手伝いに来てもらうのもひとつの手だと思いますし、職場で事情を話しこどものケアに伴う早退や遅刻について理解を得ておくというのも大事なことかと思います。

以上子連れで海外赴任するときに事前にしておくべき3つのことでした。

One Comment on “子連れ海外赴任で事前にやっておくべき3つのこと

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