Tokyo v. New York 素敵なベビーシッターの探し方 (New York編)

前回に引き続き、ベビーシッター探しについての後編。前回は、わたしの日本でのベビーシッター探しについて紹介させていただきました。今回は、ニューヨークでのベビーシッター探しについてです。

そもそも、このような比較記事にしようと思ったのは、ニューヨークと東京とのベビーシッター探しにおける視点が異なっていたため、これから海外駐在等で海外で子育てをすることになるかもしれない方々にも情報を残したい、と考えたからです。さらに言えば、これからおそらくベビーシッターが増えるであろう日本の社会に、ベビーシッター社会のニューヨークの現状を伝えることは、役に立つかもしれないと考えたためです。

では、ニューヨークでのベビーシッター探しの経験を。

ニューヨークでのベビーシッター探し

1.日本とは全く異なる社会・環境であることを理解

おそらく、ニューヨーク、アメリカのみならず、世界中にいったとき、ベビーシッターを探すときに一番気を付けなければならない点が、その土地の、社会・環境の理解、だと思います。なぜ、必要か?やはり、ベビーシッターというのは、自分の家族の非常に近いところに来ていただく存在だからです。それは日本も一緒では?と思われるかもしれませんが、私は違うと思います。自分たちがいきなり移動してきた「外国」である以上、文化、価値観、周囲の経済状況、あらゆる面で、日本とは勝手が異なるし、自分たち自身も情報やネットワークが圧倒的に欠落している。その分、日本でベビーシッターを雇うよりも、トラブルに巻き込まれる可能性は高い、と考えて行動すべきだと思っています。

なので、まず最初に必要なのが、自分たちが住んでいる地域の社会・環境の理解です。具体的には、自分たちが住んでいる地域は、どういう人たち(国籍、人種、経済層)で構成されているのか、そこで雇われているベビーシッターはどういう人たちが多いのか、それを、自分で見て、そして友人から聞いて確かめるのです。

ニューヨークはナニー/ベビーシッター文化が根付いている町です。私の住んでいる地域でも、多くのナニー・ベビーシッターを見かけます。日中ベビーカーを押している人を見ると、押している人と、ベビーカーの中の子供の人種が明らかに異なる、というケースが8割以上。私の住んでいるマンションにも、毎朝8時くらいになると、ナニー・ベビーシッターが出勤してきて、出勤時間開始まで、マンションのロビーに座って、顔見知りのベビーシッター同士が会話をしたりしている様子をよく見かけます。

そして、シッターの多くのケースが、アフリカンアメリカン、ヒスパニック、といった有色人種です。そして雇用主は白人であるケースが多。また、シッターは、アメリカ人だけではありません。カリブ海、中南米等から出稼ぎで来ている女性たちも多いのです。中には、子供を自国に残して、単独で出稼ぎに来ている人たちも。そういった貧富の格差が如実であることから、少なからず、トラブルは発生しうるということも周囲から聞きました。実際に窃盗等の犯罪に巻き込まれたケースも聞いたことがあります。

私はこの現状を知ったときに、超格差社会のアメリカの構造の縮図がベビーシッターと雇用主の関係にも表れているな、と驚きました。また結構ショックを受けました。あまりにも日本とは違うので。

何がいいたいかというと、私の場合、ベビーシッターの候補となる人たちは、経済的にも、文化的にも、国も、人種も、自分たちとは全く異なる、ということを、まず最初に認識する必要がありました。そして、我が家が、外からみて、客観的にどういう層に属するのか、ということも認識しました。そうすると、自然と、日本とはベビーシッターの選ぶことについてより注意をしなければならない、とより慎重になることができました。

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さらに、公園や町中で、子供たちをあやしているベビーシッターをみていると、人によりますが、こどもにはほとんど話しかけたりせず、スマホをいじっていたり、ベビーシッター同士自国語で延々と話続けている人たちが多く(もちろん、しっかりと子供をみている人もいますが)、ベビーシッターのサービスの質が、ある程度しっかりしている日本とあまりにも異なり、あまりにもまちまちで、ますます、私は、自分の子供を預ける人を見つけるにはとにかく細心の注意を払わなければ、と強く思いました。

まずは、自分の住んでいる地域の状況を理解する、ことが、第二の家族ともいうべきシッターを探す上で、最初にしなければならないこと、ということが少し伝わりましたでしょうか。

2.口コミ&紹介

1.に記載したとおり、ベビーシッターをめぐる環境があまりにも日本と異なっていたことに気づいた私にとって、業者を通じて、知らない人に来ていただく、ということには、踏み切れませんでした。なぜか。

自分のコミュニケーション力(英語力)に自信がなかったということがまずひとつ。何かトラブルが発生したときに、解決できる自信がなかった。

また、アメリカの業者を信用しきれなかったということもあります。ニューヨークに住んで二年になりますが、いまだに、アメリカのサービスの質というものには、「いいかげんだなあ」と思わせられることがしばしば。有名な会社が提供するサービスでも、まあ、いい加減。よく言えば、個人の裁量が大きいといいますか。日本で類似の手続きを進めようとするとき、決して躓かなかったようなところで、しばしばトラブルが起き、交渉を迫られる。逆に言えば、交渉にかてば、ルールになくても特別待遇を受けたりすることができるのですが。

そんなアメリカの業者が紹介してくれるベビーシッターがきちんとした研修を受けているともあまり思えなかったですし、そもそも身元確認ですらきちんとやっているかどうか怪しいと思っていましたし、何かトラブルが起きた時に、日本の派遣業者のように、適切に派遣業者として対応してくれるかというと、絶対にそんなことない、と思っていたので(独断と偏見ですが、この点2年たった今でも見解は変わっていません)。

とすると、口コミ&紹介で、ママ友が太鼓判を押す人というのが一番安心ができると思うのです。もちろん、前回Tokyo v. New York 素敵なベビーシッターの探し方 (Tokyo編)でも記載したとおり、口コミ&紹介だからといって、自ら身元確認等を行うことは忘れてはいけないと思っています。

それでも、Tokyo v. New York 素敵なベビーシッターの探し方 (Tokyo編)で記載したとおり、口コミ&紹介で知り合える候補者というのは限度があります。その場合は業者を利用するというのも一手ですが、利用する業者については人のおすすめがある業者を利用した方が賢明だと思います。また、海外にいる場合、仮に業者を通じたとしても、自分の目でしっかりと選定するという意識を欠かしてはいけないと思います。業者というのはあくまで候補者を紹介してくれる手段であり、その中から面接を経て選ぶのは「自分なのだ」と、しっかりと認識しておくべきだと思います。

3.信頼できる人を見つける方法はなんでもあり

実は、今、メインできてくださっているベビーシッターは、口コミ&紹介で見つけた方ではありません。信頼できる人を見つける方法はなんでもあり、というニューヨーク流?の方法もご紹介します。ここで挙げている二つの方法に共通しているのが、周りの目を気にせず、動いたもの勝ちといった空気。実際に行動を起こした人が評価され、結果を勝ち取っていくというニューヨークの独特の考え方がここでもとうとうと流れている気がします。

3の1)学校の先生

我が家に来ていただいている方は、実は、娘のPreschoolの担任の先生だった方です。娘がPreschoolに通っているときから、来ていただいていました。娘のPreschoolが終わったらそのまま一緒に家まで帰ってきてもらう、というようなオペレーションをしていただいていました。担任の先生をそのままベビーシッターとして起用してしまうというこのスタイル、珍しい事かというと、決してそんなことはなく、人気の先生は大体、掛け持ちで、勤務時間後、ベビーシッターをやっていました。

その担任の先生は、素晴らしい先生で、夜間で大学院に通いながら日中はPreschoolの先生をしてらっしゃいました。その先生が娘のクラス担任となってからクラスの様子、娘の様子を数か月みていて、その先生のすばらしさを日々実感していましたし、この先生になら安心してお願いできるなと確信の持てる先生でした。そのためその先生に娘のベビーシッターをお願いする、という点について不安は一切ありませんでした。しかし。。。

私は、当初、本当に頼んでよいものかどうか、迷いました。日本では考えられないことだったからです。日本の保育園の先生は、おそらく、副業禁止でしたでしょうし、仮に副業禁止でなくても、日本では、先生も、雇っている側の家庭も、周囲より、「あの子どもだけ贔屓をしている」という批判の矢面にたつことになると思うからです。周囲の目が気になる以上、保育園の先生に、保育園の時間外でこどもをみていただくなんて、思いもつきませんでした。

ニューヨークでベビーシッターを探していたときに、相談した多くのママ友(娘のクラスメートの親)は、その点、別にいいじゃない!という反応でした。あの先生に頼めるなら素晴らしいから良いと思うわ!という反応ばかり。わたしが「でも、ほかの親の手前、いいのかしら、、、」といっても、「まあ、そういう点が気になるのもわかるけど、みんな気にしないわよ。」とかるーく返されました。おお!これは違う!ニューヨークだ!と思った瞬間。

特に、外国人が多い地区に住んでいるせいなのか、ニューヨークだからなのか、「人は人。自分は自分。自己責任である以上、他人の家庭の判断に口を挟まない。」という基本姿勢をここでも感じた、そんな出来事でした。

3の2)スカウト

ほかにも、良いベビーシッターを雇うための手段として、日本では考えにくそうなのが、スカウト。ママ友のひとりは、公園で子供を遊ばせている間、ほかのベビーシッターやナニーの様子を見ていて、良い対応をしている人を見つけて声をかけて、契約にこぎつけていました。そう、ニューヨークでは、周りの目を気にせず、行動したもん勝ちといった風潮が強い、そんなふうに私は感じます。

ちなみに、このスカウト方式、自分がやることを考えると、ものすごく勇気と体力が必要です。が、人によっては、日頃子供を遊ばせている中で、ほかの子供を遊ばせているベビーシッターと仲良くなるということもあるようです。そうやって時間をかけて親しくなった上ですと、スカウトというのもしやすいかもしれません。

4.日本人掲示板

ニューヨークの場合は、日本人掲示板(例えばここ)でベビーシッターを見つける日本人のママ友、ママ同僚も結構いました。

日本人ではない人を雇う、ということについては、文化、言葉に始まり、子育てにかかわる多くの価値観についてすれ違いが生じやすい、というのは前述したとおり。この点、「日本人」というだけで、まずは言葉の壁が減る、ということ、さらに、日本の育児感覚を比較的共有できるケースが多いという大きなメリットがあり、安心感を抱きやすいのです。

また、子供の語学力にもよりますが、子供が現地の言葉をうまく話せないタイミングでは、日本人のベビーシッターに日本語でコミュニケーションをとっていただいた方が、こどもの精神的負担を軽減することができると思います。(ただ、この点、我が家では、英語をうまく話せないタイミングでは英語を身に着けさせたいために日本人ではない方にメインできていただき、日本語を失いかけてきているタイミングでは日本語のフォローという観点からも日本人に来ていただく回数を増やしたりしていたので、各家庭の考え方によると思いますが。)

なお、いくら日本人掲示板といえども、特に業者も通さない掲示板ですから、注意をして面談を進める必要があるのを忘れてはいけないと思います。

いずれにせよ、日本人のママ達と話をすると、やっぱり日本人だと安心できる、という回答が返ってきます。

5.その他掲示板や業者は?

すでに、2.口コミ&紹介で記載している内容と重複しますが、ローカルの掲示板や、派遣業者を利用するときは、日本にいたとき以上に注意を払う必要があると思います。

まずは、派遣業者の中で行われている手続(身元確認等)がしっかりしているかどうかは、まず疑いを持ったほうが良いと思います。言い換えれば、派遣業者を通しているからといって安心しない

さらに、大事なのが、自分たちが外国人である以上、付け入る隙も大きい存在であることをよくよく認識したうえで、面接等をしっかり行い、本当に安心してこどもを預けることができる人なのかどうか見極めることだと私は思います。特に、日本人は、日本が平和、安全な国であるということも手伝い、かなりその点のセキュリティ感覚が弱いと思われている節があるようです。相手の方がネイティブスピーカーで、自分たちがネイティブとはいえないほどの語学力の場合、こっちがよっぽど言葉に卓越していないかぎり、うまく言いくるめられることだってあります。やりすぎかな?と思うくらい、慎重に、厳しい目で、対応するべきだと思っています。

もちろん、業者やその他の掲示板を通じて、素晴らしいベビーシッターに巡り合っているママ友もいますので、その点はご安心を。ただ、言いたいのは、用心しすぎることはないということです。

最後に

以上がニューヨークでのベビーシッター探しの体験談です。ニューヨークが、日本と大きく異なる点をひとことで集約すると、格差社会に根付いたベビーシッター制度であるということ。おそらく、ニューヨークのみならず、多くの国で、同様の構図がみられるのではないでしょうか。まずは、自分たちの住んでいる地域社会の構図、日本との違い、自分たちの位置づけをキチンと理解すること、それがまず第一歩です。そうすれば、実は、ベビーシッター文化が根付いている地域では、各家庭のニーズに合わせたベビーシッター制度は意外と日本よりも見つけやすかったりします。

これからベビーシッターを海外で探したいと思っている方にとって、少しでもヒントになれば、幸いです。

One Comment on “Tokyo v. New York 素敵なベビーシッターの探し方 (New York編)

  1. Timonさん

    初めて書かせて頂きます。
    4歳の娘がいる母親です。 NYにて日本人ナニーを探しているのですが、とてもとても参考になりました。 お礼をお伝えしたく書かせて頂きました。

    どうぞお身体にはくれぐれもお気をつけて。
    ありがとうございました。

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